今回は、「日本HP」のクリエイター向けPC「HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル」のレビューとなります。
本製品のポイント!
☑Intel Core i9-10900&GeForce RTX 2080 SUPER with Max-Q Design採用
☑ワイヤレスマルチデバイスキーボード付属
☑ワイヤレスチャージ搭載
☑価格:398,000円
目次
- 1 スペック:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 2 外観:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 3 キーボード:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4 各種ベンチマーク
- 4.1 CINEBENCH R20ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.2 CrystalDiskMarkベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.3 Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.4 Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.5 Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.6 Blender ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.7 BlackMagic Designベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 4.8 V-RAYベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
- 5 最後に
スペック:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
まず、スペックから確認します。
一体型PCとしては、かなり高性能なモデルです。
HDDと専用グラフィックスがノートPCでよく使われるものですが、コンパクトに収めるためですね。
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル | |
---|---|
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
CPU | Intel Core™ i9-10900 |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2080 Super with Max-Q design |
メモリ | 32GB (16GB×2) DDR4-2933MHz |
M.2 SSD | 1TB SSD (PCIe NVMe M.2) |
HDD | 2TB HDD (SATA, 5400回転) |
液晶パネル | 31.5インチワイド・UHD 4Kブライトビュー・IPSグレアディスプレイ |
無線 | IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
重量 | 約 13.8 kg |
外観:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
ここでは、「HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル」の外観を確認しました。
一体型と普段あまり触る機会のないタイプのため、キーボードや入出力端子などどうなっているか気になります。
本体外観:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
本体前面にはスピーカーがあり、音質も悪くありません。
液晶は4Kディスプレイということで、画面から少し距離を置くと快適に作業できます。
本体裏面:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
左から、
Thunderbolt 3 ×1
SuperSpeed USB Type-C ×1
SuperSpeed USB Type-A ×2
HDMI入力端子
HDMI出力端子
ネットワークポート
電源コネクタ
セキュリティロック
となります。
本体左側:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
本体左側には、SDカードスロットとヘッドセット端子があります。
ヘッドセットは右側だとマウスの邪魔になりますが、左側なら邪魔になりません。
また、SDカードスロットは右側のほうが良いと思いますが、このあたりは、設計の問題でしょう。
ワイヤレスチャージ:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
本体の土台となる部分には、「Qi規格」のワイヤレスチャージできる箇所があります。
iPhone 8以降のiPhoneなら充電できますし、Andoroidもワイヤレスチャージに対応したモデルなら充電可能です。
キーボード:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
やはり、入力デバイスの使い勝手は大事です。
ここでは、キーボードの使い勝手を確認しました。
キーボード:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
キーボードはBlueToothで接続されています。
マルチペアリング可能なキーボードなので、スマートフォンにも入力可能です。
キーボードには、スマホやタブレットのスタンドとなる仕切りがありますので、ペアリングしておけばそちらへも入力できます。
なお、キーボードとマウスは単4電池2本が必要となります。
各種ベンチマーク
ここではPCの性能を図るため、各種ベンチマーク結果から確認します。
クリエイター向けノートPCですので、クリエイターが利用するソフトのベンチマーク結果をご紹介。
CINEBENCH R20ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
CPU名 | 結果 |
---|---|
AMD Ryzen 5 3500 | 2599cb |
Intel Core i7-9700 | 3033cb |
AMD Ryzen 7 3700X | 4432cb |
Intel Core i9-10900 | 4307cb |
結果を見ると、第9世代のIntel Core i7と比較して1.3倍以上の結果となりました。
また、AMD Ryzen 7 3700Xと比較しても大きな違いはありません。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
読み込み書き込みともに3000MB/sを超えており、かなり高速なのがわかります。
大容量ファイルの操作も快適ですね。
Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
他PCの比較
DAIV A7 GeForce RTX 2060 SUPER |
Overall Basic Score:995.2 |
---|---|
DAIV 5N(2020年モデル) GeForce RTX 2060 |
Overall Basic Score:901.2 |
ENVY 15-ep0003TX GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Overall Basic Score:913.8 |
DAIV 5D-R7 GeForce GTX 1660 Ti |
Overall Basic Score:928 |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Overall Basic Score:926.6 |
先日レビューしたHP「ENVY 15 クリエイターモデル」と比較しても高い結果となっています。
Photoshopはかなり快適に作業できますね。
Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
他PCの比較
AMD Ryzen 5 3600 GeForce GTX 1660 |
Ovarall Score 841 |
---|---|
DAIV 5N(2020年モデル) Intel Core i7 10875H GeForce RTX 2060 |
Ovarall Score 805 |
ENVY 15-ep0003TX Intel Core i9 10885H GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Ovarall Score 942 |
DAIV 5D-R7 AMD Ryzen 7 3700X GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 922 |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル Intel Core i9 10900 GeForce RTX 2080 with Max-Q Design |
Ovarall Score 900 |
「ENVY 15 クリエイターモデル」よりスペックでは劣るのですが、それでも結果はこちらが下となりました。
原因はディスクの構成が影響していると考えられます。
とはいえ、Ovarallで900とかなり高い結果となっており十分快適に作業できます。
Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
AMD Ryzen 5 3600 GeForce GTX 1660 |
Ovarall Score 765.5 |
---|---|
ENVY 15-ep0003TX Intel Core i9 10885H GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Ovarall Score 832 |
DAIV 5D-R5 AMD Ryzen 5 3500 GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 635.5 |
DAIV 5D-R7 AMD Ryzen 7 3700X GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 928 |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル Intel Core i9 10900 GeForce RTX 2080 with Max-Q Design |
Ovarall Score 791 |
デジタル一眼などで撮影された、写真などをRAW現像するのに利用されるソフトです。
Lightroom Classicは主にCPUの性能が大きく影響しますし、記憶装置の速度も大事となります。
そんな、Adobe Lightroom Classic にもベンチマークがありますので、そちらの結果を確認しました。
※メモリ32GB搭載PCでアプリケーションの最大使用メモリが16GBを超えるため、メモリ容量は多いにこしたことはありません。
思ったより結果が伸びませんでした。
本モデルのDisk速度も速いのですが、「ENVY 15 クリエイターモデル」は高速なメモリと高速なディスクを搭載しているので、その差が出たとも考えられます。
Blender ベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
無料3DCGソフトの「Blender」
結果をインターネット上で共有してあり傾向も確認できます。
Blender ベンチマーク結果(CPU)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
mouse F5-i5 (Intel Core i5-8265U) |
12m0s |
G-Tune E5 (Intel Core i7-9750H) |
5m46s |
DAIV Z7-QR4 (Intel Core i7-9700) |
4m49s |
DAIV 5N(2020年モデル) (Intel Core i7-10875H) |
4m2s |
ENVY 15-ep0003TX (Intel Core i9 10885H) |
3m42s |
DAIV 5D-R5 (AMD Ryzen 5 3500) |
6m4s |
DAIV 5D-R7 (AMD Ryzen 7 3700X) |
4m10s |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル (Intel Core i9 10900) |
3m16s |
比較対象と比べても高性能であることがわかりました。
ただ、Blenderの場合は専用グラフィックスを利用した値のほうが重要ですし、併せて結果を見てみます。
Blender ベンチマーク結果(CUDA)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
1m39s |
DAIV Z7-QR4 (NVIDIA Quadro RTX 4000) |
0m54s |
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
1m21s |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
1m33s |
DAIV 5D-R5 (GeForce GTX 1660 Ti) |
1m48s |
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
1m39s |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
1m11s |
結果としては、Quadroを搭載したモデルには及びませんでしたが、GeForce RTX 2060を搭載したモデルより、高性能であるということがわかりました。
順当とはいえますが、Blenderも快適に利用できますね。
BlackMagic Designベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
Davinci Resolveを開発している「BlackMagic Design」
Davinci Resolve自体には推奨スペックの記載がありませんが、ベンチマークソフト「Blackmagic RAW Speed Test」を提供しています。
結果を見ると、4320p60でも十分な結果となっています。
Davinci Resolveも快適に動作できます。
V-RAYベンチマーク結果:HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル
3Dレンダリングソフトウェア「V-RAY」
こちらもベンチマークがありますのでそちらの結果を紹介。
他PCの比較
モデル名 | VRAY | VRAY GPU |
---|---|---|
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
8,410 ksamples | 139 mpaths |
mouse F5-i5 (Intel Core i5-8265U) |
3,591 ksamples | 18 mpaths |
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
10,606 ksamples | 186 mpaths |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
9,750 ksamples | 155 mpaths |
DAIV 5D-R5 (GeForce GTX 1660 Ti) |
6,098 ksamples | 136 mpaths |
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
12230 ksamples | 136 mpaths |
HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデル (GeForce RTX 2080 with Max-Q Design) |
14234 ksamples | 200 mpaths |
比較対象と比べて最も高い結果となりました。
V-Ray for 3ds MaxやV-RAY for MAYAなども快適に動作できます。
最後に
今回は、HP ENVY All in One 32プロフェッショナルモデルを確認しました。
本製品ではOSにWindows 10 Proを採用しており、企業での利用を強く意識しているとも見えます。
一部ベンチマークでは、他製品より評価が低い場面も見受けられましたが、全体的に高い結果となり、どんな製品でも快適に動作することがわかりました。
だたし、途中ベンチマークで熱が上がりすぎると、自動的に電源が落ちる保護機能が何度か動作しました。
これは、RTX 2080とIntel Core i9の排熱処理が追い付かなかったためと想定されますが、そこまで高い負荷を長時間与え続けることはそうないでしょうし、あったとしても本体に致命的な問題が発生することは少ないでしょう。ただ、負荷の高い処理を連続で行う場合は、データを定期的に保存しておく必要がありそうです。
本体スタンドには、Qi充電できるポートが用意されており、ケーブルレスでスマートフォンが充電できるだけでなく、キーボードには、スマートフォンやタブレットスタンドとなるくぼみがありそのままスマートフォンやタブレットにキーボードから入力出来たりとよく考えられています。
また、カメラは本体上部にあり、ポップアップ式で利用しないときは収納できるもポイントです。
全体的に良くまとまっており、完成度の高い1台です。
※内容は公開当時の内容であり、現在と異なる場合があります。