今回は、「マウスコンピューター」のクリエイター向けPC「DAIV 5P(2020年モデル)」のレビューとなります。
本製品のポイント!
☑最大18.5時間のロングライフバッテリー搭載
☑15.6インチとしては軽量な重量 1.53kg
✖メモリがシングルチャネル
☑価格:139,800円
目次
- 1 スペック:DAIV 5P(2020年モデル)
- 2 外観:DAIV 5P(2020年モデル)
- 3 キーボードとスライドパッド:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4 各種ベンチマーク
- 4.1 CINEBENCH R20ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.2 CrystalDiskMarkベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.3 Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.4 Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.5 Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.6 Blender ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.7 BlackMagic Designベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 4.8 V-RAYベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
- 5 最後に
スペック:DAIV 5P(2020年モデル)
まず、スペックから確認します。
DAIV 5P(2020年モデル) | |
---|---|
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Intel Core i7-10750H |
グラフィックス | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 16GB (16GB×1) PC4-21300 |
M.2 SSD | 512GB NVMe対応 |
液晶パネル | 15.6型 フルHDノングレア |
無線 | インテル Wi-Fi 6 AX201 (最大2.4Gbps/ IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n) + Bluetooth 5モジュール内蔵 |
重量 | 約 1.53kg |
気になるのは、メモリスロットが1つ。
最大容量も322GB×1となっておりメモリの速度による性能がどうなるか気になるところです。
このあたりは、ベンチマークで確認します。
外観:DAIV 5P(2020年モデル)
ここでは、「DAIV 5P(2020年モデル)」の外観を確認しました。
やはり、キーボードスライドパッド、入出力端子などどうなっているか気になりますし。
本体外観および添付品:DAIV 5P(2020年モデル)
本体とACアダプターと電源ケーブル。
あとは、マニュアル類です。
本体裏面:DAIV 5P(2020年モデル)
本体裏側には、接地面となる部分が左右に伸びています。
本体右側:DAIV 5P(2020年モデル)
本体右側には、左からUSB 3.0 Type-C、USB 3.0(Type-A)、HDMI、ACアダプター端子が確認できます。
本体奥側にACアダプターとHDMI端子があるのはよいですね。
USB Type-CやType-AのポートはUSBメモリなどのデータのやり取りで利用するのに便利です。
そう考えると、USB Type-Cはもっと高速なUSB 3.1やThunderBoltが採用されているとさらに良かったです。
本体背面:DAIV 5P(2020年モデル)
本体背面はCPUや専用グラフィックスの排熱のために利用されています。
PCを利用する際、背面をふさがないようにしないと、熱が上手く冷却できないので、注意が必要です。
本体左側:DAIV 5P(2020年モデル)
本体左側には、画像の左側から
セキュリティロック、有線LAN、USB 2.0、USB Type-C、ヘッドセットジャック、カードリーダー
となります。
右側にあるUSB Type-A端子は利用せず、こちらにあるUSB 2.0ポートにテンキーやキーボード、マウスといったものを接続したほうが良いでしょう。
しかし、ケーブルが本体裏側を回して右側で利用する形になります。
ケーブルのない状態で利用するならBlueToothのレシーバーなどで接続してと考えると素直に、BlueToothのマウスのほうが良いですね。
ディスプレイ:DAIV 5P(2020年モデル)
ノングレア液晶なので、映り込みはそこまでありません。
ディスプレイを最大まで開いた状態。
このあたりは、一般的なノートPCと同等。これ以上広げると排気を邪魔してしまうので、このあたりが限界。
キーボードとスライドパッド:DAIV 5P(2020年モデル)
やはり、入力デバイスの使い勝手は大事です。
ここでは、キーボードとスライドパッドの使い勝手を確認しました。
キーボード:DAIV 5P(2020年モデル)
キーボードのまわりが反射していますが、これは保護フィルムがはってあるため。邪魔になるようであれば剥がして問題ありません。
スライドパッドのフィルムは外していませんが、キーボードのフィルムを外した状態。
このサイズのノートPCに、よくテンキーを無理やり搭載したモデルがありますが基本的な配置を崩してしまい、全体的に使いにくいモデルも多くあります。
「DAIV 5P(2020年モデル)」キーボードには、テンキーがありません。
これにより、左側の半角/全角キーが小さくなったりエンターキー周りのキーが小さくなっておらず、ノートPCだから打ちにくいということもないでしょう。
数字を良く入力するのでテンキーを利用したいといった方は、追加でテンキーを準備しておくと良いですね。
ただし、エンターキー右側のPageup/Pagedownといったキーが配置されており、人によってはタイプミスを起こす可能性があります。
気になる場合は、フリーソフトで無効化してもよいでしょう。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/changekey/
キーボードのバックライト。
こちらの明るさや有効無効はファンクションキーで変更できます。
スライドパッド:DAIV 5P(2020年モデル)
iPhone 8と比較して、ひとまわり大きいサイズ。
スライドパッドの左上にランプがあります。
こちらをダブルタップすると、スライドパッドを無効化できます。これは便利ですし、誤って有効にしてしまう可能性も低いです。
保護フィルムを張った状態でも動作しますが、気になるようであれば剥がして問題ありません。
各種ベンチマーク
ここではPCの性能を図るため、各種ベンチマーク結果から確認します。
クリエイター向けノートPCですので、クリエイターが利用するソフトのベンチマーク結果をご紹介。
CINEBENCH R20ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
CPU名 | 結果 |
---|---|
Intel Core i7-10875H | 4184cb |
Intel Core i9-10885H | 3370cb |
AMD Ryzen 7 4700U | 2645cb |
Intel Core i7-9750H | 2617cb |
Intel Core i7-10750H | 2511cb |
AMD Ryzen 3 4300U | 1471cb |
気になるところは、第9世代の「Intel Core i7-9750H(G-Tune E5 2019年モデル)」より低い結果となっています。
比較対象のメモリがデュアルチャネルで、本製品がシングルチャネルというのが大きな違いです。
これは同一CPUを搭載したモデルで別途確認したいところ。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
今回搭載されていた NVMe対応 M.2 SSDは、「ADATA SX6000PNP」を搭載していました。
M.2 SSDとしては一般的な速度ですし、きちんと速度も出ています。
Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
他PCの比較
モデル 登載グラフィックス |
Overall Basic Score |
---|---|
DAIV 5D-R7 GeForce GTX 1660 Ti |
928 |
ENVY 15-ep0003TX GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
913.8 |
DAIV 5N(2020年モデル) GeForce RTX 2060 |
901.2 |
mouse W890 GeForce GTX 1650 |
751.8 |
DAIV 5P(2020年モデル) GeForce GTX 1650 |
611.2 |
DAIV 5D-R5 GeForce GTX 1660Ti |
563.4 |
結果を見る限り、思ったより性能が伸びていません。
同等の性能である、「mouse W890」より1割程度低い結果となっています。
CPUの性能が上がっているにも関わらず、この結果はメモリのせいと考えられます。
Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
After Effects CC ベンチマークは実行中でエラーとなったため、結果がありません。
メモリ不足とも考えられます。
Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
デジタル一眼などで撮影された、写真などをRAW現像するのに利用されるソフトです。
Lightroom Classicは主にCPUの性能が大きく影響しますし、記憶装置の速度も大事となります。
また、メモリ32GB搭載PCではアプリケーションの最大使用メモリが16GBを超えるため、メモリ容量は多いにこしたことはありません。
他PCの比較
モデル 登載グラフィックス |
Overall Basic Score |
---|---|
ENVY 15-ep0003TX GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
942 |
DAIV 5D-R7 GeForce GTX 1660 Ti |
922 |
DAIV 5N(2020年モデル) GeForce RTX 2060 |
805 |
DAIV 5P(2020年モデル) GeForce GTX 1650 |
603 |
Blender ベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
無料3DCGソフトの「Blender」
結果をインターネット上で共有してあり傾向も確認できます。
Blender ベンチマーク結果(CPU)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
ENVY 15-ep0003TX (Intel Core i9 10885H) |
3m42s |
DAIV 5N(2020年モデル) (Intel Core i7-10875H) |
4m2s |
DAIV 5D-R7 (AMD Ryzen 7 3700X) |
4m10s |
DAIV 5P (Intel Core i7-10750H) |
5m41s |
G-Tune E5 (Intel Core i7-9750H) |
5m46s |
短いほうが高性能ですが、「DAIV 5P(2020年モデル)」は順当な結果となっています。
Blender ベンチマーク結果(CUDA)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
1m21s |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
1m33s |
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
1m39s |
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
1m39s |
DAIV 5P(2020年モデル) (GeForce GTX 1650) |
3m46s |
専用グラフィックスの差がそのまま出ています。
その他PCと比較すると、低く見えますが3DCGを始めるには十分な性能です。
ちょっと結果が気になったので、追加で「OpenCL」の結果も紹介。
こちらは、2m57sとさらに短時間となっています。
これなら十分な性能といえます。
BlackMagic Designベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
Davinci Resolveを開発している「BlackMagic Design」
Davinci Resolve自体には推奨スペックの記載がありませんが、ベンチマークソフト「Blackmagic RAW Speed Test」を提供しています。
結果としては、4320p30まで。
フルHDや2Kまでなら、十分な性能といえるでしょう。
V-RAYベンチマーク結果:DAIV 5P(2020年モデル)
3Dレンダリングソフトウェア「V-RAY」
こちらもベンチマークがありますのでそちらの結果を紹介。
他PCの比較
モデル名 | VRAY | VRAY GPU |
---|---|---|
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
12230 ksamples | 136 mpaths |
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
10,606 ksamples | 186 mpaths |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
9,750 ksamples | 155 mpaths |
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
8,410 ksamples | 139 mpaths |
DAIV 5P (NVIDIA GeForce GTX 1650) |
7,296 ksamples | 74 mpaths |
DAIV 5D-R5 (GeForce GTX 1660 Ti) |
6,098 ksamples | 136 mpaths |
こうして見ると、CPU性能では、Intel Core i7 9750H、AMD Ryzen 5 3500と同等。
グラフィックス性能は、GTX 1660Tiの半分、RTX 2060の4割程度の性能。
そう考えると性能的には入門機としての利用か、モバイル用として割り切って使うには十分な性能といえます。
最後に
今回は、DAIV 5P(2020年モデル)を確認しました。
外観から言えば、前モデルのキー配列が特殊であまり良いとは言えませんでしたが、今回のモデルは使い勝手が格段に良くなっています。
テンキーがないことで、キー自体も小さくする必要がなくなりましたし、おかしな配置もなくなりました。私としては、テンキーの有無はユーザーに任せるほうが良いと思います。
必要であれば、BlueToothのタイプのテンキーも出ていますので、USBのポートを使用してしまう心配もありませんし。
周辺機器の入出力端子は、USB 3.2 Type-Cの端子を増やしてHDMI端子を廃止し、付属品として、USB-CとHDMI端子の変換ケーブルをつけておくというのでもこのモデルは良かったような気がします。
それだけで、拡張性はかなり変わりますし。
性能面からみると、メモリがシングルチャネルで性能が全体的に抑えられているように見えます。
CPUや専用グラフィックスの性能から考えるともう少しベンチマークで高い値が出るはずですが、排熱やバッテリーとの兼ね合いを考え、全体的にみるとバランスが取れています。
デザインとしても外出先で利用しても恥ずかしくありません。
ただ、クリエイティブ作業を行うなら、メモリは32GBへカスタマイズしておくことをお勧めします。
※内容は公開当時の内容であり、現在と異なる場合があります。
なお、本記事は、マウスコンピューター様のご厚意により実機をお借りしてのレビューとなります。